遺言書について
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遺言という言葉は、終活が広まる以前にも、聞いたことがあるという方は多いと思います。そして遺言を残そうと考えたことがある方、又は考えている方も多いと思います。遺言はご自身が亡くなった後、発生する相続の問題を“争族”にしないためにも重要と言われています。ご家族が亡くなり、相続の際の遺産分割でもめて親族が仲違いしてしまったというのは、遺言を残していなかったために起こる問題でよく聞く話でもあります。「うちは財産がないからもめることはないわ。家族も仲がいいし」とおっしゃる方もいると思いますが、相続問題で遺言がなかったためにトラブルが起こったケースのうち、相続財産5,000万以下の方が70%、その内相続財産1,000万以下の方が30%とも言われています。財産が少ないからと言って、もめないという事ではありません。トラブルのパーセンテージを見ると他人事とは言えません。
ところで、遺言(ゆいごん)とは、遺書(いしょ)と同じものと思われている方も多いようですが、遺書(いしょ)と遺言(ゆいごん)は異なるものです。 『遺書(いしょ)』とは、決まりごとのない手紙のようなもので、自らの死を目前に、自分の想いや願いなどの強い気持ちを書き残したものを指すことが一般的ですが、どちらかというと書き残す人も読んだ人も悲嘆にくれる要素の強いメッセージであることが多く、終活という前向きな活動においてはおすすめしません。
『遺言(ゆいごん)』は、幅広い意味で言うと自分の死後についての希望を書き残したものですが、法律用語では『いごん』と読み、民法で定められた決まりごとを満たした形で、自分の所有する財産を誰にどのような形で遺すかを明記したもののことを指すのが一般的です。
終活の中でも『遺言』は大変重要な部分で、その書き方の不備一つで、まったく意味をなさなくなってしまうこともありますし、法律がかかわってくるので、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家へ相談や作成を依頼することも必要です。
ただ、事前に全く予備知識を持たずに相談へ行くと、資料が足りずに何度も足を運ばなくてはならなかったり、お願いする一つ一つの業務に費用がかさんだりするので、あらかじめ予備知識を持つことは必要と思われます。終活をきっかけに、遺言についての知識を増やすことや、今から準備できることに少しずつ手を付けることで現状を整理することができ、自身の大きな心配事そして心の荷物を手放すきっかけにもなります。
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終活で考える税金のポイント