公正証書遺言作成のための手順
公正証書遺言作成のための手順
資料・書類関係をご用意できたら、弁護士・行政書士・司法書士のいずれかの専門家の方を訪ねて、どのような内容を遺言書に残したいということを相談する前に、どのようなことを遺言書に残すことができるかについては、以下に抜粋しておりますので、ある程度の希望をまとめるための参考にして下さい。
不備等により無効になってはいけないので、弁護士・行政書士・司法書士の方へお尋ね下さい。
- 公正証書遺言を作成するには、証人2名以上の立会いが必要となります。
- 遺言執行者は証人になることが可能ですが、未成年者や推定相続人・受遺者(遺産を受け取る方)及びその配偶者、その直系血族などの、利害関係が絡んでくる方は証人になることができません。そして、公証役場の公証人の配偶者やその四親等内の親族、書記及び雇用人も同じく証人になることができません。これは、民法により定められています。そのあたりを考慮したうえで、証人になって頂ける方を選定されて下さい。もし、証人をお願いできる方がいない場合は、公証役場で紹介して頂くことも可能です。その場合には報酬が必要となります。
- 証人2名以上の立会いのもと、遺言を残す方(遺言者)が、公証役場で遺言の内容を公証人に口述し遺言書を作成してもらいます。
- 聴覚・言語機能障害などのある方は、手話通訳による申述または筆談による口授で遺言を残すことが可能です。
- 公証人が、遺言者の口述した遺言の内容をもとに遺言書を作成し、これを遺言者及び証人に読み上げ、もしくは閲覧し作成された遺言書の内容を確認します。
- 作成された遺言書の内容が、遺言者の希望と相違なければ、その内容を承認したうえで証人と遺言者が各自署名捺印します。
- その後、公証人が作成した遺言書を公正証書として法律に定める手続きに従い作成したものであることを付記して、署名捺印します。
こうして出来上がったものが公正証書としての遺言書で、公正証書遺言と呼ばれます。この時作成された公正証書遺言は原本・正本・謄本の3部作られ、そのうち原本が公証役場に保管されます。遺言者が亡くなられた時は、正本を使って遺言執行の手続きを行います。ですので、この正本は遺言執行者の方が預かっておくことが一般的のようです。謄本は、控えとして遺言者本人が保管しておくものとされているようですが、遺言執行者が指定されていない場合や不要な時は、特に発行する必要はないようです。
公正証書遺言に残したい内容は、自筆証書遺言・秘密証書遺言をご参考に事前に下書きしておくと、公証役場へ行かれた際にスムーズに作成することができると思いますので練習として作成してみて下さい。