ところで、遺言(ゆいごん)とは、遺書(いしょ)と同じものと思われている方も多いようですが、遺書(いしょ)と遺言(ゆいごん)は異なるものです。
『遺書(いしょ)』とは、決まりごとのない手紙のようなもので、自らの死を目前に、自分の想いや願いなどの強い気持ちを書き残したものを指すことが一般的ですが、どちらかというと書き残す人も読んだ人も悲嘆にくれる要素の強いメッセージであることが多く、終活という前向きな活動においてはおすすめしません。
『遺言(ゆいごん)』は、幅広い意味で言うと自分の死後についての希望を書き残したものですが、法律用語では『いごん』と読み、民法で定められた決まりごとを満たした形で、自分の所有する財産を誰にどのような形で遺すかを明記したもののことを指すのが一般的です。
終活の中でも『遺言』は大変重要な部分で、その書き方の不備一つで、まったく意味をなさなくなってしまうこともありますし、法律がかかわってくるので、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家へ相談や作成を依頼することも必要です。
ただ、事前に全く予備知識を持たずに相談へ行くと、資料が足りずに何度も足を運ばなくてはならなかったり、お願いする一つ一つの業務に費用がかさんだりするので、あらかじめ予備知識を持つことは必要と思われます。
終活をきっかけに、遺言についての知識を増やすことや、今から準備できることに少しずつ手を付けることで現状を整理することができ、自身の大きな心配事そして心の荷物を手放すきっかけにもなります。
自筆証書遺言・秘密証書遺言の注意点