相続税・税金
- 終活の相続税(税金)を考えるにあたって、まず現状でどのくらいの資産・負債(債務)があるのかを、把握し整理しておくことは大変重要です。ある程度は把握されていると思いますが、どの資産が誰の名義になっているか、共有名義になっているものがあるか、名義変更がされていないままの財産がないかなどを終活の機会に調べておくとよいでしょう。
終活で財産の整理をするにあたっては、どこが扱うエンディングノートにも財産について記録するページがあるので、そちらに記入しておくとよいと思います。
家やマンション・田畑などの農地や、駐車場などの不動産をお持ちの場合や、現金預金の他に株・有価証券などをお持ちの場合、土地家屋調査士・司法書士や行政書士、税理士などの専門家へご相談されると、相続などの対策を踏まえた整理をすることができると思います。
ちなみに、相続税を計算する際に対象となる相続財産は以下の通りです。 -
貸借対照表による相続財産の種類 プラスになる財産
(課税対象)マイナスになる財産
(相続財産から差引)現金 金融機関からの借入金 預貯金 固定資産税、住民税 有価証券 準確定申告で支払った税金 不動産 医療費 ゴルフ会員権 葬儀費用・寺院費用など 書画、骨董、貴金属など 連帯保証人としての債務 -
この他、みなし相続財産と呼ばれるものがいくつかあります。このみなし相続財産というのは相続税法に定められており、被相続人の死亡により取得したとみなされる相続財産のことです。相続税を計算する際の課税対象となるみなし相続財産は、受取人となる相続人が指定されていれば、民法上では遺産分割協議の対象となりません。
低額譲渡益
このみなし相続財産に含まれるものは、死亡退職金・死亡保険金(生命保険金や損害保険金など)・生命保険契約に関する権利・年金などの定期的に支払われるもの(定期金)に関する権利などです。
死亡退職金や死亡保険金の受取人は、受取人が配偶者やお子様などの遺族に指定されていることがほとんどですが、死亡退職金や死亡保険金の受取人が、死亡された故人となっていた場合は、特定の相続人のものではないので遺産分割協議の対象となりますのでご注意下さい。ちなみに、死亡退職金と死亡保険金にはそれぞれ「500万×法定相続人数」の非課税枠があります。これは平成27年現在ではまだ適用されますが、政府の方針では先々撤廃の方向で検討を行っているようですので、その動きを気にしておく必要があります。
みなし相続財産には、死亡保険金や死亡退職金などの他に、遺言によって受ける利益を相続財産とみなされ課税されるものもあります。低額譲渡益や債務の免除又は弁済益がそれにあたります。
遺言により、被相続人である故人の所有する株・有価証券を、著しく低い価額で譲渡し、時価と譲渡金額の差額から得る利益のことで、その利益分はみなし相続財産として課税対象となります。 - 遺言に○○株式会社の株(評価額一株10,000円)100株を一株1,000円で、長男○男に譲るとされていた場合、差額利益9,000円に相続税が課税されます
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債務の免除又は弁済益
遺言により、被相続人債務の免除を受けた場合や、債務の免除金額から支払った対価の差額から利益が出たりした場合、その利益部分がみなし相続財産となり、課税対象となります。
(計算方法)課税金額=免除等を受けた債務の金額-支払った対価の額相続財産やみなし相続財産などの財産の整理につきましては、税理士・司法書士・行政書士・土地家屋調査士・弁護士などの専門家へご相談頂くと、生前にどのような形で行えば検討することができるのでご相談されて下さい。
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終活で考える税金のポイント