相続財産を減らす 終活・遺産相続情報|宇部市 やすらぎ会館


萩市
伊藤博文旧宅

相続税・税金

    相続財産を減らす(祭祀承継財産の購入の検討と贈与)

  •  相続で受け継ぐものは、お金に換わるものだけではありません。先祖代々から受け継がれているお墓やお仏壇は、祭祀財産という相続財産として遺されたご家族の誰かがお世話しなければなりません。民法上でも「系譜・祭具及び墳墓の所有権は前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する」と定められています。
     まだ、お墓やお仏壇を所有していないという方は、お葬式・ご葬儀後の御遺骨の納骨先などについても考えておかなければならないのですが、お墓・お仏壇については、相続財産でも課税対象とはなりません。お墓やお仏壇をお持ちでない方は、終活をされる元気なうちにご購入しておくことで、相続財産を減らすという相続税対策になります。
     但し、注意しなければいけない点が、以下の通りいくつかございますのでご参照下さい。
    • 生前に購入しておく
    • 購入代金はすべて支払って精算しておく
    • 購入したものによっては骨董などの扱いになる(純金の仏像など)

    ※毎日礼拝するなど祭祀対象と認められるかどうかは税務署の判断となります。
    お墓やお仏壇は、購入される方の希望が多様化し、その種類もいろいろなものがございます。詳しいお話は仏壇・供養及びお墓・散骨でご案内しますので、そちらもご参照下さい。

    終活の相続税(税金)を考えた贈与
    終活で考える相続税(税金)の節税対策は、生前贈与と言われています。
    生前贈与を行った場合には、贈与税が課税されますが、課税方式には暦年課税制度相続時課税制度というものがあります。

  • 暦年課税制度
     年間110万円までの非課税枠があり、それ以上に贈与した場合には、その贈与額について課税されます。例えば300万円贈与した場合には、190万円に対しての贈与税10%の19万円を納付しなければなりません。

    一般的な贈与


     但し、贈与税を納めていても相続の発生する前3年分の贈与については、相続とみなされますので注意が必要です。例えば、先程の贈与が相続の発生する1年前に行われた場合には、贈与税の納付分は相続税申告時に贈与税額控除として差し引かれますが、贈与された300万円は相続財産として扱われ、課税対象の財産となります。
     ですので、贈与を考える場合には、早いに越したことはないということです。
  • 相続時精算課税制度

     暦年課税制度に対し、条件を満たすことができれば相続時精算課税制度という制度を利用した贈与を選択することができます。
     相続時精算課税制度の条件は、平成26年までは65歳以上の親から20歳以上の子(贈与者の推定相続人)への贈与のみという形でしたが、平成27年より制度の利用を広めるために60歳以上の親から20歳以上の子(贈与者の推定相続人)又は(贈与者の)孫ということになったようです。

     相続時精算課税制度を利用して贈与を行った場合2,500万円までの非課税枠があり、それ以上の贈与をした場合でも贈与税率が20%となるので贈与税と比較すると、かなりの税率が軽減されるのですが、暦年課税制度と違い、3年以上前に贈与していても相続時には相続財産として課税されるので注意が必要です。この他、贈与を受ける際の目的が住宅取得資金であった場合、条件を満たせば、特例として贈与する親が60歳未満であっても、相続時精算課税制度が適用され、500万円までの非課税枠が追加される場合もあるようです。

    相続時精算課税制度

    贈与時


    相続時精算課税制度:基礎控除 2,500万 + (贈与基礎控除差引額×20%)

    相続発生時


    生前贈与と相続分を足した財産の相続税が発生納付済の贈与税は相続税から差引される

     暦年課税制度と相続時精算課税制度は、どちらを選択した方がよいかを個人で判断するのは大変難しいです。財産の把握ができたらライフプランを考え、どのように相続財産を分けるかを検討し、非課税枠を考慮した上で、贈与を早く始めれば始めるほど、相続が発生した際の税負担が軽減されることになります。財産の整理をされ、あらかた状況を把握することができたら、税理士などの専門家へ相談されることをお勧めします。

  • 終活で考える税金のポイント